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やすらぎ通信

2022.10

ドクターコラム
手指の病気「CM関節症」

手指の病気「CM関節症」

手は物を持つ・体を支えるなどの大きな動作から、つまむ・拭く・書く・めくる、などの細かい動作まで、普段の生活の中で多彩な働きを続けています。手指の痛みや動きの制限が生じると、強い苦痛や大きな生活の支障をもたらします。整形外科では、ばね指・へバーデン結節・手根管症候群・関節リウマチなどいろいろな手指の病気を診療しますが、その中で皆さんがあまりご存じでないかもしれないCM関節症をとりあげます。

CM関節症はどんな病気?

手指の骨格は多くの骨とそのつなぎ目である関節からできています。それぞれの指の先からDIP関節、PIP関節、MP関節、CM関節、手関節(手首)と多くの関節があるので、指をいろいろな角度に曲げることができます。
その中でCM関節は動きが少ない関節ですが、親指だけはつまむ、ねじる動きに対応できるよう比較的曲がる角度が大きく、使い過ぎや加齢でCM関節が傷みやすい原因となっています。親指のCM関節症は日本人で30-40%と高頻度に認められるとする報告もあり、特に40歳代以降の女性に多くみられます。


 親指のCM関節症を疑うポイント









①親指のCM関節部を圧迫すると痛みがある
(MP関節と手首の中間を圧迫してみましょう)
②親指のCM関節部が腫れている(左右比べるとわかりやすい)
③物をつまむ、ふたを開ける動作などで痛い


治療は


まず湿布、消炎鎮痛剤の使用、固定装具使用でのCM関節の安静処置などでの保存治療をおこないます。少し痛いですが、CM関節へのステロイド注射治療も効果がみこまれます。それらの治療でよくならず、痛みや生活の支障が強いときは、手術治療(CM関節を固定、靭帯での関節再建など)を行うことがあります。       


整形外科 主任部長 西井孝

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