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やすらぎ通信

2025.01

ドクターコラム
「顎関節症のおはなし」

口を開け閉めしたとき、痛みがありますか?

口を大きく開けにくい 、開けると顎のあたりがカクンとなる 、顎が痛くて口が開かない 、耳の穴の前を押すと痛みを感じる、このような症状がある場合、顎関節症(がくかんせつしょう)の可能性があります 。
顎関節症とは、顎関節や顎を動かす筋肉に痛みが生じたり、音がする、口が開けにくいなどの症状が出る疾患です。音だけであれば人口の約20% の人は顎関節の音を持つとされていて、また顎関節症の治療が必要になる人は症状を自覚した人の中の5% 程度と推定されています。

 

顎関節症の症状

 口を開けると、顎関節のあたりに(耳の穴の近く)で音がなることが挙げられます。両方鳴る場合もあれば、どちらか一方の顎関節だけ音が鳴る場合があります。これは顎の骨と顎関節の骨の間にあるクッション(顎関節円板)が正常に動かず、引っかかって音が鳴るためです。症状が強くて、口をあけると顎が痛い、顎が痛くて食事がしにくい、顎が痛くて口が開かない、など生活に支障がある場合は治療の対象になります。

 

顎関節症の原因

考えられる原因としては 、歯ぎしりや、食いしばりのような口腔習癖がある、頬杖やうつふせ寝、食事の時にどちらか一方で噛む癖がある、歯並びや噛み合わせが悪い、もともと顎関節の形態が悪い、などが考えられます。 虫歯や歯周病を放置してきていることで歯並びや噛み合わせが悪くなっている場合があります。特に噛み合わせに関しては、上と下の前歯がうまく噛んでいない骨格が原因のかみ合わせ異常(下顎前突、開咬、上顎前突)の場合、奥歯の負担が大きく、それにより顎関節に負担がかかりやすく、顎関節症となることが多いとされています。

 

顎関節症の治療
 顎が痛くて口が開かない、食事ができないといった症状の強い場合は、炎症を抑えるために鎮痛剤を処方します。 顎関節症の一般的な治療法は、顎関節への過度な負担を減らすためにマウスピースを作製し、噛み合わせた時に顎関節や咀嚼筋へ負担がかからないような治療を行います。 また、歯列接触癖は、ご自身で気を付けて頂き、顎への負担を減らします。お風呂などで顎関節や咀嚼筋をマッサージしたり、大きく口を開ける開口訓練も有効です。 姿勢が悪い方は気をつけ、ストレスをなるべく溜めないようにしましょう。歯並びや噛み合わせが悪い場合は、矯正治療もお勧めです。

顎関節症にならないために

食いしばり、歯軋りがないか気をつけましょう

集中していたり、緊張して何かに取り組んでいると、どうしても歯を食いしばることで顎に負担がかかります。

歯列接触癖を気をつける

食事や会話の時以外は、上と下の歯は約2ミリほど離れているのが正常です。歯が離れている事で、顎関節に負担がかからず、顎関節もリラックスできます。

片一方で噛む癖をやめる

右でよく噛む、または左でよく噛むなどの片側咀嚼癖は、顎関節に負担がかかります。

頬杖やうつ伏せ寝をやめる

頬杖やうつ伏せ寝をすると、片方の顎関節に負担がか
かるために、顎関節症になりやくなります。

ストレスを発散する

ストレスがあると歯軋りや食いしばりやすくなります。
ストレスをためないようにすることが重要です。

矯正治療

きれいな歯並び、きれいな嚙み合わせの場合、少しくらい噛む力がかかり顎関節に負担が生じても顎関節症になることが少ないとされています。

冒頭の「口を開け閉めしたとき、痛みがありますか?」の質問に対する回答が「はい」であり、その痛みが1週間以上続いているなら歯科医院を受診してください。

 

 

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